16世紀デンマークの天文学者ティコ・ブラーエは、地球を中心に太陽(火星など惑星は太陽の周りを回る)が回る変則的な天動説をとっていたが、肉眼によるものではもっとも精密に火星の軌道を観測した。ティコ(慣習として姓でなく名を通称とする)の助手であったヨハネス・ケプラーは師の死後、観測データを解析することで惑星の軌道が円ではなく楕円であること、さらに火星の軌道からほかの惑星の軌道も楕円でありケプラーの法則に従うという地動説を主張した。公転速度が速く観測しやすい火星の軌道離心率が冥王星や水星に次いで大きい0.0934であったことも幸運であった。
2003年8月27日9時51分13秒(世界時)に火星は過去60,000年でもっとも近く、5,575万8,006キロまで地球に接近した(惑星光行差補正なしでの値)。この大接近は火星の近日点通過の3日後が火星の衝の翌日と重なったために生じたもので、地球から火星を特に見やすくなった。
今回の火星と地球の最接近は、2020年10月6日に起こります。このときの火星と地球の間の距離は約6207万キロメートル(注1)。最接近の頃の火星はマイナス2.6等の明るさで輝き、視直径(注2)は約22.6秒角です。
2018年の最接近の際には、地球と火星は約5759万キロメートルまで接近するいわゆる「大接近(注3)」となり、大きな話題になりました。2018年の最接近には及ばないものの、今回の最接近時の火星の視直径は20秒角を超え、明るさもマイナス2等を超え、見ごたえは十分です。
「最接近」と聞くと、その日にちや時刻ばかりを気にしてしまいがちです。しかし、火星は2020年9月上旬から11月初旬までマイナス2等以上の明るさを保ち、観察しやすい時期が長く続きます。
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