月のクレーターや木星の縞模様、あるいは遠くの星雲などを見たいと思いながら、星空を見上げたことはありませんか?初めての天体望遠鏡を選ぶのは、屈折、反射、口径、焦点距離など、天体望遠鏡のさまざまなパラメータや概念が非常に多いため、難しいでしょう。このガイドを読めば、最適な天体望遠鏡を簡単に見つけることができます。

天体望遠鏡とは、天体観測用の望遠鏡です。天文学愛好家は一般にレンズや鏡など光学的手段により構成される光学望遠鏡を天体望遠鏡と呼びます。かつて「世界で最も偉大な発明」の一つに数えられました。

１．天体望遠鏡でなにがみられる？

目視観察：望遠鏡を使用すると、肉眼や双眼鏡では見えない天体や惑星の表面を見ることができます。特に、土星の環、木星の縞模様、火星の極冠など、惑星の表面などを観察するのに非常に役立ちます。家族向けの天文学教育用としても、天体観測愛好家用としても、お薦めのツールです。

出典：LearnToStargaze　SV230ズームアイピースでで観察した画像

天体撮影：目視観測に加えて、天体望遠鏡は天体撮影においても重要な役割を果たします。遠方の天体からの光を集める機能に加え、CMOSカメラやCCDカメラなどの写真機材と接続して完全な天体写真システムを構成することもできます。これにより、肉眼では見えない天体の詳細や色を記録することができます。一部の高度な天体望遠鏡には、自動追尾機能などの特別な機能も備わっており、天体写真の品質と効率が大幅に向上します。

出典：LiuZhen

２．天体望遠鏡の原理

天体望遠鏡の原理は、対物レンズを使って光を集め、像を作り、それが接眼レンズを通して拡大されるというものです。対物レンズは、宇宙にある遠く​​離れた暗すぎて見えない天体からの光を集め、「より明るく、より鮮明に見える」ようにします。

３．光学望遠鏡の分類

光学式望遠鏡は、大きくわけると、凸レンズを使って光を集める屈折式と中心部がへこんだ凹面鏡を使って光を集める反射式の2種類があります。

3-1.屈折望遠鏡のメリットとデメリット

屈折望遠鏡の特徴は、対物レンズを用いることで、光軸のずれが生じにくく、常に安定した像を提供する点にある。また、光学系が密閉されているため、埃や湿気に強く、長期間にわたり高い性能を維持できる。しかしながら、レンズのサイズが大きくなるに従い、色収差が顕著になり、また製造コストが著しく増大するため、実用的なサイズには限界がある。

3-2.反射望遠鏡のメリットとデメリット

反射望遠鏡の主たる利点は、大きな鏡面を用いることで大量の光を集める能力にあるため、遠方の微光天体の観測に適している。また、反射鏡は色収差を生じないため、極めて鮮明な像を得ることができる。一方で、鏡の精密さや保護が重要であり、定期的なメンテナンスや鏡面の調整が必要となる。

４．天体望遠鏡の選び方は？

4-1.天体望遠鏡の重要なパラメータ

天体望遠鏡はデバイスであり、スマホと同様に多くのパラメータを持っています。

口径: 対物レンズの直径で、通常はミリメートル（ｍｍ）単位で表示されます。これは最も重要なパラメータの 1 つであり、望遠鏡の集光能力、解像度、限界等級(ある一定条件下で観測可能な最も暗い天体の等級)などに密接に関係しています。一般的に、口径が大きいほど良いとされています。

集光力：口径が大きいほど集光力が強くなり、より明るく見える天体になります。人間の目と比べて何倍の光を集められるかを表します。具体的な計算式は、口径(mm)の2乗÷7の2乗になります。

解像度: 画像の解像度と少し似ており、解像度が高いほど、より多くの詳細を表示できます。レンズの精度を確保しながら、解像度はおよそ 140/D に等しくなります。D は天体望遠鏡の口径 (mm) です。取得される値は秒単位です。一般的に、天体望遠鏡の解像度は秒角で表されます。

限界等級: この天体望遠鏡で観測できる最も暗い星の明るさを指します。口径によって決まります。口径が大きいほど、口径の小さい望遠鏡に比べて、より暗い天体が見えるようになります。

焦点距離：焦点距離は対物レンズの焦点距離と接眼レンズの焦点距離に分けられます。これらは両方とも固定値です。対物レンズの焦点距離を接眼レンズの焦点距離で割ることによって得られる天体望遠鏡の倍率です。倍率は最も重要ではありません。理論上、対物レンズの焦点距離が固定されている場合、接眼レンズの焦点距離を調整することで任意の倍率を得ることができます。

注意: 天体望遠鏡には実際の有効倍率があります。有効倍率は視力、望遠鏡の口径や光学設計、大気の状態などさまざまな要素によって異なりますが、最も重要なのは口径です。通常は口径の 2 倍になります。例えば、口径80mmの場合、有効倍率は約160倍になります。160倍以上拡大しても詳細は表示されなくなります。

焦点比: 焦点距離と口径の比です。光の透過効率を表します。値が大きいほど光の効率が高くなります。深宇宙写真愛好家にとって、効率が高いということは露出時間が短くなり、当然ながら撮影時間も短くなることを意味します。

4-2.適切な天体望遠鏡の選び方

天体望遠鏡を購入する際に考慮すべき最も重要な 2 つのパラメータは、口径と焦点距離です。これら 2 つの重要なパラメータによって、望遠鏡の画像品質がほぼ完全に決まります。

機材：SV550 122ｍｍ APO天体望遠鏡

口径: 口径が大きいほど、望遠鏡はより多くの光を集めることができ、より暗く遠くにある物体を観察できるようになります。望遠鏡の限界等級はさらに高くなります。口径が大きいほど良いです。

焦点距離: 眼視観望を好むか、電子観望を好むかに応じて適切な望遠鏡を購入してください。長い焦点距離の望遠鏡は惑星、太陽、月の観察に適しており、短い焦点距離の望遠鏡は深宇宙の写真撮影に適しています。なぜなら、惑星や太陽、月はもともととても明るく、焦点距離が長く倍率の高い望遠鏡を使えば、見えにくさを心配する必要がなく、より細かいところまで見ることができるからです。深宇宙撮影では長時間露光が必要なので、撮影効率を上げるためには、最も光の取り込み効率が高い、つまり焦点距離の短い望遠鏡を選ぶのが良いでしょう。

4-3.他の重要な要素

さらに、初心者の場合は、2つの重要な要素を考慮する必要があります。

豊富なアクセサリー。初心者には、利便性を考えて望遠鏡キットを選ぶ人もいれば、ニーズに応じてコストパフォーマンスが高い鏡筒を選ぶ人もいます。望遠鏡を選択した場合は、天頂ミラー、接眼レンズ、ガイドカメラなどの追加アクセサリを自分で組み立てる必要があります。最初はキットよりも少し面倒ですが、多くの鏡筒の光学性能は望遠鏡キットよりも高く、後は自分の撮影ニーズに合わせてさまざまなアクセサリをDIYで組み立てることもできます。各種天頂ミラー、フィルター、バローレンズ、アダプターリングなどの光学機器専門店をお勧めします。

アフターサービス。一般的に、初心者は望遠鏡を使用する際に、焦点が合わない、組み立てられないなど多くの問題に遭遇します。そのため、アフターサービスが万全なブランドから望遠鏡を購入することをお勧めします。何か問題が発生した場合は、いつでもカスタマーサービスへ連絡して、リアルタイムで解決することができます。

５．初心者で安心な天体観測ガイド！

5-1.初心者はどうやって星を観察すればいいのでしょうか？

5-1-1.焦点を合わせる

屋内でフォーカスを合わせる場合は、必ず遠くにある参照のオブジェクトを選択してください。見えない遠くの山などです。都市部にいて山が見えない場合は、より遠くにある高いオフィスビルを参考にしてください。十分離れた物体に焦点を合わせることができるようになって初めて、遠くにある天体に焦点を合わせることができます。

5-1-2.天体を見つける

月ははっきりと見え、非常に明るいので、見つけるのは比較的簡単です。他の天体を探すときは 光学ファインダースコープをお勧めします。まずファインダーで大まかな位置を確認し、次に鏡筒をゆっくり動かして目標天体を探します。

5-1-3. 環境に適応する

天体を観察する場合、月などの明るい対象を除いて、そのほとんどは非常に暗く、一見何も見えないことがあります。このとき、観察しながら忍耐強く、リラックスした状態を保つ必要があります。しばらく慣れると、だんだん細かいところも認識できるようになります。

5-2.初心者に観測におすすめの天体

初心者が星空観察を始めるときは、一番観察しやすい月から始めるのがおすすめです。月は最も近く、観察しやすいです。満月までまだ数日ある、旧暦日の前半を選ぶことをお勧めします。この時期は日没後の月が観測でき、光を当てた時の明暗部分の境目がはっきりとし観察できます。

出典：Noriyuki Toki 

続いては、初心者がよく観察する金星と土星です。星空観察ガイドに従い、まずファインダーや低倍率で対象を見つけ、その後高倍率に切り替えて観察することをお勧めします。

2025年4月下旬から5月上旬ごろ、夜明けの東の空の低いところで金星と土星が接近しています。最も接近するのは4月29日頃です。観察初心者におすすめ！

5-3.季節によって観測に適した天体は何ですか？

春の夜は銀河を観察するのに最適な時期です。土星や木星の観測にもおすすめします。

天の川を観察するには夏の方が適しています。天の川や夏の大三角などの星を観察するのに最適です。夜空の天気条件が比較的良い場合には、天の川を肉眼で直接見ることができます。

秋の星空にはは月が明るく、明るい星が少ないのです。日が暮れた後は、アンドロメダ銀河などの遠くの天体を観察するのに最適な時間です。

冬になると明るい星の数も徐々に増え、満天の星空が広がり、星空観察には最も良い季節です。有名なオリオン大星雲など観測できる対象が増えます。

多少なりともお役に立てていましたら幸いです。最後までお読みいただき、感謝しております。