双眼鏡の基本性能は対物レンズの直径=口径によって決定されます。口径が大きければ大きいほど、集光力(光を集める能力)と解像力(細かいものを見分ける能力)が向上します。
しかしながら、口径が大きくなるほど双眼鏡は大型になり扱いづらくなります。
双眼鏡を選ぶときのポイントのひとつである、口径について学びましょう。
口径と有効径はほぼ同じ意味で使われていますが、厳密にいうと少しだけ違います。
対物レンズそのものの大きさが「口径」と呼ばれるのに対して、「有効径」とはレンズの枠内の直径のことを指します。
性能にかかわるのは厳密にいうと有効径です。
有効径が20mmと40mmの双眼鏡では、どれくらい光を集める能力(集光力)に違いがあるのかを確認しましょう。
集光力はレンズの面積に比例します。
有効径20mmの面積は、10×10×π=100π
有効径40mmの面積は、20×20×π=400π
つまり、有効径が2倍になると集光力はその2乗となり4倍になります。
このような理由から、天体用には微かな光を捉えるために有効径が大きい双眼鏡が使用されます。
有効径が大きくなるほど性能は向上! しかし…
このように有効径が大きくなるほど集光力や解像度が向上します。
しかし、現実的には有効径の大きなレンズほど高い精度で作るのが難しくなります。また、レンズに特有の収差も拡大し、それをおさえるためにいろいろな工夫が必要になってきます。
例えば、レンズの宿命ともいえる色収差ですが、口径が大きくなるほど収差が目立つようになります。
対物レンズの構成枚数を増やしたり、ED(特殊低分散)ガラスを使用したりして、色収差を補正する工夫がされますが、当然製造コストは高くなります。
EDガラスを使用した双眼鏡には、「ED」とか「HD」などの文字が入ります。
なお、双眼鏡の明るさは有効径だけでは決まりません。
たとえば、コーティングのグレードによって、光の透過率が変わったり色のバランスが変化します。有効径はあくまでも目安の1つに過ぎないことを覚えておきましょう。
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