天文フィルターにはいくつかの分類基準があります。例えば、観測対象に応じて、太陽フィルター、月フィルターなどに分けられます。スペクトルに応じて、広帯域フィルターと狭帯域フィルターに分けられます。フィルターの専門用語やさまざまなスペックに戸惑う方も多いかもしれません。
そこで、ここではフィルターの適用シナリオについて簡単に紹介します。お役に立てれば幸いです。
1.天体写真におけるフィルターの機能
天体写真撮影におけるフィルターの主な機能は、特定の波長の光をを透過させ、それ以外の光をカットすることです。次の 3 つの重要な機能があります。
1-1.光害を軽減する
都市部など光害がひどい地域では、星雲、星団、彗星などを観測、撮影する際に、街明かりなどの不要な光を遮断し、天体の光を透過させます。画質が向上します。
1-2.特定の天体の波長を分離する
天体はそれぞれ異なる波長の光を発します。フィルターを使用すると、特定の天体からの光を選択的に通過させることができるため、天体撮影対象を個別に撮影して研究することが容易になります。
1-3.コントラストを向上させる
天体の特定の特徴を引き立たせ、対象オブジェクトを背景に対してより目立たせます。たとえば、星雲を観察する場合、フィルターを使用すると、星雲と周囲の星空とのコントラストを強調し、星雲の構造を良く出てます。
2.各フィルターの機能と適用可能なシナリオ
フィルタータイプ |
機能 |
適用可能なシナリオ |
LRGB広帯域フィルターSV127LRGBフィルターセット | RGB フィルターは色情報を提供でき、L フィルターつまり輝度フィルターは詳細と信号対雑音比を提供します。より包括的な色と詳細情報を取得できます。『輝度 (L)、赤 (R)、緑 (G)、青 (B) 』 | 惑星、月、星団、星雲など、さまざまな天体の観測に適しています。 |
SHO狭帯域フィルター SV227 ナローバンドフィルター>> |
H - alphaフィルターは水素原子から放射される輝線を捉え、赤色を強調します。SIIフィルターは硫黄イオン光を捉え、OIII フィルターはイオン化酸素の 2 つの主要な輝線に対応しています。 | H-α は輝線星雲に適し、SII は硫黄元素を含む天体に使用され、OIII は惑星状星雲などの天体のユニークな特徴を強調するのに適しています。 |
NDフィルター SV139 NDフィルター>> |
減光フィルターとも呼ばれ、レンズから入る光の量を減らすために使うグレーのフィルターです。光量が減光したが、色彩に殆ど影響を与えずに、オブジェクトを元の⾊に忠実に再現します。 | 太陽の黒点やフレアの観測、木星や土星の雲構造の解析、月の観測などに適しています。 |
ソーラーフィルター SV229ソーラーフィルター>> |
太陽の強い光と有害な放射線を低減します。 | 目や画像機器に損傷を与えることなく、太陽黒点、日食などを観察できます。 |
CLSフィルター>> | 光害カット(CLS)フィルターは光害の主成分である水銀灯やナトリウムランプの 波長を軽減します。光害で生じてしまう夜空の色カブリを低減し、自然な色再現が可能になります。 | 光害が激しい場所での天体撮影に適し、空をクリアに写すことができます。 |
UHCフィルター>> | 特定の有害な光の波長、特に人工光 (水銀光やナトリウムランプを含む) や空の輝きなどを選択的にブロックし、星雲の波長の光を効率的に透過し、高いコントラスト画像を提供します。 | |
PLフィルター>> | 偏光フィルターともよばれています。水やガラスなどの光沢のある表面からの反射光を除去し、画像の鮮明さと表現力を向上させます。 | 風景写真に欠かせないフィルターで、青空、緑の葉などの色をより鮮やかでリアルな色彩の映像を実現します。 |
UV-IRフィルター>> | UV/IRフィルターは赤外線を反射して遮断します。CCDまたはCMOSカメラでの使用に最適です。写真において青みやギラギラや波長の差から赤色系の微小なボケを抑制し、クリアな画像を撮影できます。 | 星雲星団などの深宇宙天体の撮影に適しています。 |
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